プロローグ

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「……ドルシ、起こせ」 先生のアルデン・マケトリーの言葉で、恐々近寄っていく。 近くに来ても、起きる事なく寝ている男。 警戒心はないのか? 「おい! 起きろよ!」 身体を揺すって起こす。 暫くそれを繰り返すと、その瞳が開いた。 髪よりも深い青色の瞳が俺を捉える。 吸い込まれそうな程、綺麗な色だ。 「誰だ、てめぇ」 だけど、その眼は細められ、一瞬で冷たい光を宿す。 その様子に思わず身を引いた。 危険だと、無意識に察知したからだろう。 男は身体を起こし、周りを見た。 そして、自身の下にある魔法陣を見ると── 「使い魔召喚?」 そう呟いた。 だが、興味なさそうに欠伸をしている。 ……本当、何者だ? 「あ、悪魔か?」 「悪魔……?」 恐る恐る声をかけると、目を細めて呟いた。 顔が攣るのが分かる。 男は伸びをしながら立ち上がり、のんびり周りを見回している。
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