プロローグ

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「お前はハーディネス家なのか?」 目の前の男の言葉に驚く。 「え!? ハーディネス家を知っているのか?」 人間の、しかもかなり昔に貴族をしていた家。 何故、知っている!? 誰かに召喚された事があるのか? 「貴族じゃないって、どういう事だ?」 そう聞かれ、俺の知っている話をする。 一国民となった今も、落ちこぼれ扱いされている事も。 「その当時の当主は、サラ・ハーディネスだろ?」 「……っ 何故その名前を知って……!?」 その当主の名前を言い当てたって事は、顔見知りなのか? 訊きたい事は山程あるのに、名前を聞かれてキョトンとしてしまう。 ……そういえば、まだ名乗っていなかった。 「俺の名前はドルシ・ハーディネス」 「ドルシか……」 名前を覚える為か、復唱した。 「お前は悪魔じゃないなら何者なんだ?」 色々ある中で、一番訊きたいのはソレだ。
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