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「さて…と。これでちゃんと動くはずだ。
……ずいぶん長い間止まってたみたいだが、いくつにする?」
「……いくつって…?」
「あんたらの年だよ。」
「……年?」
私達はいまひとつ意味がわからずぽかんとしていました。
修理屋さんは、そんな私達にじれったくなったのか、不満そうな顔をしました。
「……じゃあ、適当で良いな。」
私達はよくわからないまま、頷きました。
時計にはようやく針が付き、修理屋さんは時間を合わせてねじを巻きました。
「きゃあっ!」
「わぁっ!」
あまりにも急なことで、何がどうなったかわかりませんでしたが、私の着ていた服が突然破れたのです。
「あっ!」
シュゼットを見て、その意味がわかりました。
私達は、大人になっていたのです。
「シュ…シュゼット……あなた……!」
「シュザンヌ……あなた、大人になってる……」
私達は、服のことも忘れて、お互いの姿をみつめあいました。
シュゼットは見とれてしまう程美しい大人の女性になっていたのです。
私はこの時になってようやく気付きました。
さっき修理屋さんが「いくつにする?」と聞いたのは、おそらく、時計の針を合わせた年齢になるということだったのです。
「シュザンヌ…私達、大人になれたのね?」
「そうよ。
あなた、とても美人だわ。」
私達の瞳からは、熱い涙が溢れていました。
「時計は直ったから、これから君達は普通の人間と同じく成長するぞ。」
信じられない想いでしたが、ついに私達の目的は果たされたのです。
「シュザンヌ様~!シュゼット様~!」
私達がまだ驚きから覚めきらないそんな時、クリストファーが私達を探しに来ました。
そして、私達の姿を見て、慌てて自分の服を持ってきてくれました。
「本当にありがとうございました。」
私達は、修理屋さんに心からお礼を言いました。
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