4/12
408人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「『桐子と別れてくれ』って言われた」 「えっ」 意味がわからなかった。 慶とはずっと幼馴染みで仲良しだけれど、お互いの恋愛にたいしては口出ししたことがなかった。 それにわたし……慶にはいっくんのことをあまり話したことがなかったのに。 だからそんな風に言う意味がわからなかった。 「一度は、別れない、って言ったんだ。でもさ……」 そこまで言ったいっくんはわたしをちらりと見る。 「アイツ……『先輩は、そういうの、許せる人なんですね』つったんだよ」 「……」 そういうのって何? 慶はいっくんに何を言いたかったの? 頭の中で考えてみるけれど全くわからなくて。 けれど、それをいっくんが教えてくれた。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!