第1章

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本当に1週間で退院をして、私は懐かしい我が家へ帰ってきた。 懐かしい… たった1週間だったのに何年も帰れずにいたような感覚だった。 部屋は綺麗に片付いている。 パパ…ありがとう♪ そう言うとパパは照れたように後ろを向き、三人で頑張ろう!って言ったからな… とボソッと言った。 私は深呼吸をした。 お母さんになったんだ… 強くならなくちゃ… この子を守る…絶対守る!! そう改めて目に力を入れた。 あれ?パパ?何処? トイレかな? お昼何にしよう… あ、パパ戻ってきた。 ねぇ、何食べたい? あ~もうそんな時間か… お前の…違うな、家族三人のお祝いに外食でもするか♪ やった♪ 何食べたい?と赤ちゃんに話し掛ける。 うんうん、そっか♪と話してる様子をレンが見て、お前の食べたいのがこの子の食べたい物だよ♪ パパは笑いながら抱き締めた。 私も甘えてぎゅ~っと力を入れた。 おい、赤ちゃんが苦しくないのか? あ、ごめんね!! 慌ててお腹を撫でる… 赤ちゃんね、焼肉食べたいって♪ ホントかぁ? お前が食べたいんだろ♪ えへっ♪バレたか♪ やっきにっく♪やっきにっく♪ うっれしいなっ♪♪ レンは歌っている私を見て笑いながら、窓を閉め出掛ける支度をしていた 。 鍵をかけ車に乗る。 シートベルトしていいのかな? と聞くと、 大丈夫だよ、何かあったら大変だからな。 じゃあ、しようっと♪ 焼肉だよ~♪焼肉!!とお腹の中に居る赤ちゃんに話し掛けた。 音楽かけようよ♪ 何がいいかな… ねぇ、オルゴールとかいいかなぁ♪ オルゴールならジブリだな♪ とレンがオルゴールをかけてくれた 瞳を閉じると、とても優しい気持ちになり眠ってしまった… 結愛…結愛…? んん~…ん?あ、レン…?ん?パパだ… 別に名前で呼んだっていいだろ? そうだね…私、寝ちゃった? ぐおー!!ぐおー!!って車が壊れるんじゃないかと思う位凄いイビキかいて爆睡してたぞ♪ レンはイタズラっ子みたいな顔をして笑って言った。 嘘~…やだぁ~…へこんだ… と俯くとレンは大きな声で笑った。 私も可笑しくなって笑った。 お腹ぶつけないように降りろよ♪ はあい♪ 私達は焼肉屋の扉を開けた 。
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