第1章

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ありがとう…大丈夫だよ。と笑うとレンは、寝ぼけてる私の手をしっかりと握り、家へ入った。 ただいまぁ~と誰も居ない部屋に向かって大声で言い、靴を脱ぐ。 リビングに入ると仄かにコーヒーの香りがした。 朝、コーヒーを飲んだの? と、レンに聞くと俺も結愛と同じコーヒー好きだからな。 でも、赤ちゃんにはあまり良くないんだろ?とレンが、淋しげに言う。 そうみたいだね。と私が言うと、じゃ、赤ちゃんが無事に産まれるように願掛けしようか?とレンが思い立ったように言う。 願掛けかぁ~…。 いいかもね♪と私は笑いながらも、レンの気遣いに罪悪感を感じていた。 レン…?コーヒー飲まなくていいの?と私が聞くと、結愛だって我慢するんだろう? だったら、俺も我慢する。 レンはキッパリと言った。 ありがとう…。私は感謝の気持ちで一杯だった。 じゃ、今日からはココアにしよっか?と言うとレンが、食物繊維が豊富だからお互いに身体にもいいしな♪と笑った。 じゃ、今ココアいれるね♪とキッチンへ向かうと、レンがソファに座って、火傷するなよ?とまた、からかう。 大丈夫だよーだ♪とあっかんべーをした。 無事火傷せずにココアをいれ、レンにくっついてソファに座る。 肩に頭を乗せる。 レンは肩を抱き、何か不安な事や、身体がおかしいと思ったら、すぐ俺に言うんだよ? 結愛はすぐ悪いからとか、心配かけないようにとか考えるから…俺も心配なんだよ? と囁いた。 私は、レンは何でも知ってるね…。 ありがとう…大丈夫だよ、ぜーんぶ話すから♪と笑うと、レンは、よしよしと頭を撫でてくれた。 じゃ、改めて乾杯しよっ♪と私がマグカップを持つと、レンもお揃いのマグカップを持ち、私達は乾杯した。 結愛は猫舌だから、少し冷めてから飲みなよと言われ、私は、はぁい♪と言い、 フーフーと何度も吹いて、恐る恐る一口飲んだ。 あちっ! ほら、言っただろ? とレンは、笑う。 レンは、平気なの?と聞くとレンは、俺?と言いマグカップの中を見せてくれた。 空だった…。 嘘~!?何であんなに熱いの飲めるの!? と私が言うと、笑いながら俺は犬舌だから♪とまた、からかった。 早く飲みたぁい♪と言い、必死にフーフーと吹き、スプーンでゆっくり飲み始めた。
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