第2章

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委員長は早めに来た転校生を殴らせて遊ぶ。 そして体育倉庫へと押し込む。 「ねぇ。出してよ!」 叫ぶ声に自力で出てみろと笑う。 そして予鈴に反応して彼らは消える。 「さて、どうしたもんかなぁ」 体育倉庫の中でマットに寝転ぶ。 「あ」 遅刻寸前だろう生徒の足音に声をかける。 「ー僕を出してー」 ドアが開き、自由の身となる。 ーぴんぽんぱんぽん ぴんぽんぱんぽんー 放送の合図が鳴り、背筋を伸ばしたまま放送を眺める。 「あーそーぼー」 「あーそーぼー」 繰り返される言葉。 窓から見えるのは教師がいたずらだと怒って走っている。 「十数える間に逃げてね。いーち」 その言葉にさて、どうしようかと考える。 「にー」 「ま、いっか」 「さーん」 懐のある手帳を取りだしメモを書く。 「キジヒコ」 声に何かが飛び立つ。 「しー」 手に持っていたメモを掴んで消えていく。 「ごー」 カウントに素直に足を動かす。 「ろーく」 「今回のルールはなーにかな」 「なーな」 にやりと楽しげに笑う。 「はーち」 そしてゆっくりと校舎の裏へと消えていく。 「きゅー」 「非日常を垣間見ろ」 「じゅう!はじまりはじまりー!」 声が世界を変える。
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