第3章

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2ー3 山里はただ考える。 どうしてこうなったのか。 山里は神崎の子分だった。 山里って誰? と聞くが、神崎の取り巻きだと言われれば皆、納得する程度の存在。 暴力が好きだから神崎が見つけてきた対象をわからないよう殴るのが好きだった。 だから今日もおもちゃを殴って閉じ込めて遊んだ。 放課後にでも出してやればいい。 そんな気持ちで。 そして突然のおかしな放送。 その後、放送室から響いてきた悲鳴にほとんどの生徒が興味をもって近づいていた。 体育の教師が倒れていた。 真っ赤な血を流し、何が起こったのかわからないような状況。 教師は慌ただしく不審者が侵入してきたのだと警察への連絡を指示している。 「先生死んだナウ」 「ムカつくやつ死亡。ざまぁ」 呟く生徒は写真を撮っている。 snsに投稿する予定らしい。 「おい!何やってるんだ!やめっ」 教師がそれに気づいて慌てて止めようとする。 だが生徒は驚き携帯を凝視している。 何が起こったのかわからないと言わんばかりの顔に慌てて携帯を見る。 【圏外】 その二文字に驚く。 何時もなら使える場所なのに。 何時もなら使っても問題ない場所なのに。 衝撃の二文字。 同時に倒れていたはずの教師が起き上がる。 さっきの血溜まりは嘘だったのかと離れようとすると背後から絶叫が響く。 振り替えれば教師が生徒を散らそうとした教師に噛みついている。 教師は捕まったと同時に噛みつかれたため、身動きできないままその場に倒れ混む。 そして近場の生徒へと襲い掛かる。 咄嗟にその場を逃げ出す。 「えーっと。触れられたら鬼になる。これは間違いないね」 双眼鏡で現場を、屋上から観察する。 捕まった教師や生徒は時間が過ぎていくことに人から異形へと姿を変えはじめている。 これはたまらんと笑みがこぼれながら校舎を観察する。
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