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栢野は約束通り七時半に来る。
そして教室へと入ればクラスメイトが全て揃っている。
「あ。おはよー!」
笑顔を迎えてさっそく委員長の下へと行く。
だがすぐさま、周りの生徒に両手を掴まれ頭を地面に押さえつけられる。
「え?何?」
今にも泣きそうな表情で何が起こったのかを見るために頭を上げれば、神崎がこちらを見て笑っている。
「今日からお前は俺たちの玩具だ」
栢野が不思議そうに返す。
「何?なんで?俺は、人だよ?命を持った人で」
神崎の言葉に疑問に思ったことを告げれば思いっきり腹部を蹴り飛ばされる。
「ぐ、ふ」
吐き気を催すが辛うじて助かる。
「な。に?かんざ、き、いいん」
「お前は玩具だ!」
意味が解らないと言いたくても再びお腹を蹴られる。
そして抵抗しても生徒が押さえつけているため動けない。
そして他の生徒も手足を引っ張ったり髪の毛を掴んだり、頬を殴ったりしてくる。
「ふ、え、な。んで?」
意識を失いそうな中で呟けば彼らは笑って告げる。
「今日からお前は玩具だ!光栄に思え!遊んでくれるんだからな」
「俺と、遊んで、くれる?」
「そうだ。お前が俺たちの遊び道具なんだよ!」
うつろな瞳で呟いた言葉に頷く神崎に、いじめというターゲットになったことを告げる。
そしてチャイムが鳴ると同時に栢野は解放されるが、神崎は栢野をどうしようか考える。
教師がいなくなると早速生徒を呼びつけてから、栢野を逃げる前に押さえて言う。
「さて、最初の命令だ」
栢野はどうしたらいいのかわからない表情を浮かべてその指示をうかがう。
憐みと、そして蔑む瞳を向けている。
再びこのクラスの日常が始まった。
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