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不意に気をソチラに向けた俺のスキを突いて、谷川は俺のをパンツに手を掛ける。
「何してっ!」
吃驚して腰を引き、谷川の手を叩きき払い、スボンを直す。
コンコンというノック音は、次第に大きくなり
今やドンドンである。
「ごめん下さい、辻という者ですが…」
と、いう声が聞こえる。
えっ…辻さん?
何で此処に
驚き、俺は咄嗟に谷川を突き飛ばし、ズボンのチャックを上げると玄関に向かった。
ドアを開けると、そこには辻さんの姿が
「勇雄さん、お迎えに来ました」
ニッコリ笑う辻さんの笑顔が怖い。
それに迎えって何だ…
「帰りましょう」
そう手を引かれ、外に連れ出される。
俺は、そのまま谷川のアパートを後にした。
「あの、辻さん?何で…?」
俺は、無言で歩く辻さんに話し掛ける。
後ろ姿を見ていると、怒っている気がした。
「何で?恋人の浮気は見過ごせないですからね」
刺々しい台詞が帰ってくる。
やっぱり怒っている様だ。
「浮気だなんてそんな積もりは…
後輩の家に遊びに行っただけで…」
俺は、歯切れの悪い言い訳をする。
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