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電気も点けられない暗い室内では、彼女の声と瞳しか見えない。
テレビ画面を見られていたのかと、気まずくなる。
思わず、彼女の瞳から目を反らした。
「欲求不満で浮気したんですか?」
責める様な口振りで続ける辻さん
「そんなんじゃあ…」
ないと、言いたいが…
もしかしたら、欲求不満だったのかも知れない
だから、ちょっと如何わしいDVDを見せられただけでこんな事になってしまったんだろう
「じゃあ、どんな積もりだったんでしょうか?」
辻さんに、そう言葉を促されるが
言葉に詰まる。
まさか自分が童貞で、やり方を後輩に教わろうとした
等とは、とても言えなかった。
「黙りなんですか?
勇雄は、都合が悪くなるといつも黙りだ」
呆れた様に言われてしまう
「すみません」
と、謝る事しか出来なかった。
「それは何に対しての謝罪ですか?
浮気してすみませんという事?」
「浮気だなんて…」
辛辣な台詞を浴びせられ、俺はどうしたら良いのか解らず、言葉で否定する事しか出来ない。
本当に浮気だなんてしてないのだ。
「まぁ良いです。これを何とかしなければね?」
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