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まさか、ここにまた来ることがあるとは思っていませんでした。
私、中2の……。いつまで? 秋くらいまで通ってましたっけ? 先生。
そう、この東棟の屋上に上がる階段、懐かしいなあ。
ドアが開いていると、光が全部階段に注いで……。
「天使が舞い降りて来そうね、川村さん」
そう言ったのも、先生でした。
正直に言うと、この人馬鹿じゃないの?
と思っていました。
だって、あの頃の私はそれどころじゃありませんでしたから。
それでも、今、私のあのころの望み通りに、なったことはいくつかあります。
ここに転任した事も、教師になった事も、確実に私の望みではありませんけど。
中2の私の望みですか?
誰も信じてくれない地獄から、抜け出す事でした。
私が、毎晩のように父親に犯されている事を誰も信じてくれませんでした。
そうです。先生、あなたも。
鼻先で笑いましたよね?
少女特有の妄想の末の虚言だと、やんわりと言っていましたね。
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