第2章

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そんなふうに顔を近付けられると この前のキスを思い出してしまう。 私が困っていると 彼はおすすめの紅茶を示してくれた。 「今日は……」 メニューを閉じながら 彼は小さな声で言った。 「少し暑いようですね」 くすっと笑った彼の 白手袋をした手が 私の頬に 一瞬だけ触れていく。 私は驚いて瞬きをする。 そんなふうにからかわれて しまうくらい 私の顔が赤かったということだ。
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