孤独の中の人肌

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  ーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーー 「なっちゃんは、馬鹿だねぇ。喧嘩が強いから格好良いとか、発想が狂ってる」 「あ? 弱い奴には言われたかねぇな」 「まったく、手見せなよ。俺はね、未来の医者だから手当てくらいできるよ」 「明智、絆創膏しか持って……え、消毒液」 「幼馴染みをナメてんじゃねぇよ」 「……ハハッ。流石、明智様様だなー」 「何してんの?」 「お、光久。今なー、未来の医者に治療してもらってんの」 「へぇ。治療しても、夏生は俺と居るから直ぐに怪我すると思うけど?」 「みっちゃんも馬鹿だねぇ。体を粗末にしちゃ駄目だよ。大切にして、大切にされなきゃ駄目だからね。 ほいっ、なっちゃん。治療は完璧だよー。けどね喧嘩は控えなよ? 取り返しがつかないことだってあるんだからね?」 「はーい」 「なっちゃんは、返事だけは良いよねー」 「明智」 「ん? みっちゃん、なに?」 「前も言ったけど、俺らに関わるな。千歳にまで迷惑がかかる」 「……シスコン」 「シスコンで結構。俺の妹と付き合ってんなら、そこんとこも賢くなれ。 只でさえ、明智は強くないんだから」 「はいはい。そう心配するなら、喧嘩なんてやめたら良いのに」 「君には関係ない。喧嘩って、しなきゃどういうものか分からないんだよ。してしまえば、後には引けない。 ほら、夏生、行くよ」 「はーい。んじゃ、明智、またな! 塾頑張れよー!」 ーーーーーーーー ーーーーーーーー  
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