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「夏生、僕ね……夏生が止まらないのを見てるとね、救われる気がする」
「…………光久……」
「殴り殺そうとするのを見てると、悲しみとか苦しいのとか、和らぐんだよね」
「じゃ、止めなきゃ良いだろ」
「フフッ……分かってないね、夏生は。
止めてあげなきゃ、夏生、犯罪者だよ?」
「…………」
「夏生が苦しんだ分だけ、救われる気がするから……もう少し、付き合ってよ」
「光久……お前の為にやってんじゃねぇ」
「分かってるよ。夏生も足掻いてるんだよね。
可愛いねぇ、夏生は」
「帰るぞ」
「はいはい。傷の手当てをしてくれる奴は、僕たちには居ないから…永遠に傷を負わなきゃね」
「…………るせぇ」
「夏生。傷はね、治しちゃ駄目だよ」
「…………」
「……治すより、壊す方が楽だから」
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