#2 飛ばされて森

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食事を終えると、辺りも暗くなって来たので、大悟も早めに横になった。 「すげー、星だなぁ。てか月が二つある」 日本では、いや地球のどこにいってもあり得ない光景を目の当たりにし、大悟のたてていた予測が間違いではないことを悟る。 「地球じゃない世界、か」 異世界、にわかには信じがたいことだ。 でも、そうすると色々と辻褄が合ってくる。 いきなり森のなかに出たことも、植物の大きさ、見たことの無い魚に、出会った狼にそれを越える巨大な猪。 「色々ありすぎて脳が麻痺してるのかもな」 驚きと混乱がメーター振り切って逆に冷静になっている気がする。 「まぁなるようになるか、悩むのは得意じゃないしな」 思考が纏まらなくなってきたので打ち消して目を閉じた。 意識はあっという間に眠りに落ちた。 『気とは空気中に漂う自然の力だ。気功術はその力を借りる術なんだよ。見ようとしても見えはしない。感じろ、感じて操れ、さすれば自然の力はお前のものだ』 祖父に言われた言葉だ。当時はまったく理解できなかった。 今はすこしわかる気がする。 ペロッ ペロペロ なんだ? 「う?ん~?」 突然なにかに舐められているような感触で意識が覚醒した。 薄目を開ける。 「なんだ、狼か」 まだ、夜が明けかけてまもないじゃないか。 もう少し寝かせてくれ 「……って狼~~?!」 ガバッと起き上がる。 顔の前には狼。 右には、狼。 左にも狼。 後、狼。 「は、ははは、死んだ?俺?」 意味もなく両手を挙げてみるが、狼たちはなんの反応もない。 そして ベロン 「ぬわっ!」 舐められた。
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