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#3 捕らわれて学園
あれから迷いに迷って数ヶ月、いや一年近くになったかもしれない。
どうやらこの世界にも緩やかながら四季があるようで冬に当たる季節は狼に囲まれなかったから死んでたな。
狼たちとも、コミュニケーションが取れるようになり、ちょっとした軍隊になっている気がする。
服装も流石にボロボロ、旅の途中で狩った獣の皮と植物を使って補修しながら、髪は伸びに伸びて肩を越えて野性味溢れる風貌。
狼たちとの生活で大悟の身体は鍛えられ細身ながら一切の無駄のない身体になっている。
そして、気の扱いも意識すれば視覚で捉えられるようになった。
気づいたことは基本的にどの動物、生き物にも元々ある程度の気が身体の中に息づいていて活動する際に補助の役割をしている。
それを意図的に強化することでより身体能力の強化を図ることができる。
この世界に来たときから狼たちとも行動を共にできるほどの身体能力の底上げがされていたが、それを上回る俊敏性を得ることができた。
お陰で今は群れのリーダーのようになっている。
いまだに雌狼、もといウルは横を着いてくるが。
ウルという名前は大悟がつけた。
始めは見分けがつかなかった狼たちだが、気の流れの違いを見分けることで一匹一匹を見分けることができた。
そして、森の中を歩き続けているとどうやら人の手の入った様子が見受けられる森へと入ったーー
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