#3 捕らわれて学園

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甲高い音が森に響く。 その音と共に狼たちが動く。 音の発信源は大悟の口笛だ。 狼たちと連携をとる際に色々と試行錯誤した結果こうなった。 「よし、よくやった!」 上手く獲物を仕留めた狼を誉めながら近づく。 「今日のご飯ができたな」 手早く獲物の血抜きをする。 「最近は獲物が小さくなってきたな。化け物みたいな熊とか猪は奥の方だけだったな」 特に熊の方は流石に死ぬかと思った。 一撃で大木へし折る腕力ってなんだ。 「よし、少し休憩しよう」 獣皮製のズックから干し肉を取り出して群れに配る。 さっきの獲物は巨大猪の角で作った串に刺して丸焼きにする。 倒した獣の珍しい部分は持てるだけ持ってきている。必要に応じて加工したりして使っている。 「ここ最近は人の入った形跡もあるし森を抜ける日も近いかもだな」 干し肉をかじる。 「森を抜けたらお前たちとはお別れだなぁ」 いつも通り隣にいるウルに話しかける。 ガブッ 「イタッ!」 撫でてた左手をあまがみされた。 どうやら別れる気はないという意思表示のようだ。 「いや、お前がよくても他の仲間が困るだろ?」 二十匹ほどいる狼を人里でつれ回すのは問題だろう。
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