第1章 手紙

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「……少し冷えるな」 夏も終わりに近づき、日が傾きかけると肌寒さを感じるようになってきたある日の事だった。 数年前に死んだ、というよりは謎の失踪をした祖父から手紙が届いた。何故か宛名は俺に。 確かに良く世話になっていたと言えばそうなのだが今更になって何故?  手紙の冒頭は祖父らしい書き出しから始まっていた。 ーーよう大悟、元気か? この手紙がお前に届いてるってことは死亡者扱いになってるんだろうな。お前がどんだけでかくなったのか見れないのが残念だ。昔からお前には厳しくしてきた。あまりいい祖父じゃあなかった。悪いと思っている。一応、儂にも考えがあったんだが今言ってもお前は理解できんだろうな。百聞は一見に如かずだ。手紙が届いた日に儂の道場に行ってみるといい。お前の世界が変わることが起きるはずだ。勇気がなければ行かんでいい、行かなければいつもの世界が続いていくだけだ。最後に一つ言っておこう『覚悟』と『決断』と『直感』は自分を強く信じろ。それがお前の力になる。 それじゃあな、お前の人生に幸と困難がおおからん事を願う。 神崎源氏 なおこの手紙は自動的に消滅する……わけないじゃろ達者でな!
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