#2 飛ばされて森

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全身に力がみなぎる感覚と踏みしめる足は微細な力の変化を感じとり、視界は先程までのぼやけた感じが取り払われ今までな見たことないほど遠い場所も見通せる。 聴覚もさっきまで微かだった川の音が、はっきりと聞き取れ川までの距離も把握できた。 「なんでだ?急にこんなことになるなんて」 理由はわからないが、今の危機的状況をかんがみればありがたい力には違いない。 「まぁ、今はありがたく使わせてもらうか」 脚に力を込め川へと走る。 力に体が慣れたのかさっきよりも落ち着いて周りを見ることができる。 5分程走ると川に出た。 驚いたのはあれだけ走り続けたのにもかかわらず息が切れて無いことだ。 「ここまでくると逆に怖いな」 川に出て水を一口含む、冷たい水が口に広がり落ち着きをくれた。 「ま、これだけ自然が豊かなら食料にも困らないか、じぃちゃんとの修行に比べたらマシなほうかな?」 辺りを見渡すと魚も泳いでいる、見たことない種類だが。 最初こそ苦戦したが向上した反射神経のお陰で数匹の魚を捕まえることができた。 「後は火か、ここは古典的にいこうか」 枝を木の板に当てて両手でこする!こする!こする!! 「ぬぅおーーーー!!」 煙が出始めると木屑や燃えやすいものを近づけて更にこする! 「やってやったぜぇ」 繰り返すこと数十分、ついに焚き火に火がついた。 意地でも消さんこの火だけは!
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