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「何はともあれ、まずは飯だな!」
魚を手近な細目の枝に突き刺して火の回りに刺していく。
「しかし、この森深そうだな。人の手が入った形跡がまったくないなんて」
走りながら今見える範囲で見渡してみたが、人の気配というか、人がこの森に入ったであろう痕跡がないのだ。
「かなり深い森に入ってるかもなぁ」
いい匂いが漂い始めた魚を手に取りかぶりつく、川魚にもかかわらず臭みの無い身と香ばしい香りが口に広がる。
「美味い! 食べ終わったらもうちょっと辺りを探索してみるか、ここを拠点にすれば分かりやすいし」
火が消えないように大振りの薪をくべて火の勢いを強くして最初に燃やしていた木が炭になっているのを一ヶ所にまとめ消えにくくする。
「よし、これで結構もつかな?」
食べ終えて、立ち上がる。
食べる前に川の浅瀬に囲いを作り放しておいた魚を確認する、夜はこれでなんとかなりそうだ。
「肉もほしいけど、まぁ贅沢言えないな今は。さて、探検に出掛けよう」
不安と徐々に込み上げてくる好奇心を胸に森の中にもう一度足を踏み入れた。
「痛くはなくなったけど足元何とかしないとな」
相変わらず裸足の足を見ながら森を歩く。体の頑丈さまで上がったのか森の枝や石を踏んでもまったく痛くない。
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