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「ねぇ?その遺跡に興味があるのかしらん??」
女性は、強張っているユウキに質問した。なんて答えたらいいか分からず、ユウキは縦に顔を振った。
「そうなの。ふふふ。アタシもとっても興味があるのよ?」
女性はゆっくりとユウキに近づいて来るが、ユウキは彼女の神々しさに圧倒され後退りしてしまうが、女性はユウキの横を過ぎる。
「柱に刻まれる象形文字、微かに感じる寒気、全身を漂う奇妙不可思議な雰囲気、そしてアタシを呼びかける門と扉!!ここよ、ここがアタシが求めていた場所だわ!!」
まるで、舞台に立って大げさに表現している女優を見ているような素振りし、自身に心酔しているようだった。
ユウキは申し訳ない程度さに相槌を打った。
ふと、ユウキは思った。
彼女はこの遺跡についてどこまで知っているのだろうか?そんな疑問が浮かび、彼女に質問をしてみる事にした。
「あ…あの。ここの遺跡について詳しいのですか?」
「知りたい?」
女性は妖艶な表情が浮かぶ。まるで、ユウキを試しているかのようにも感じさせる。悪魔が囁くとはこの事をいうのかもしれない。
「はい。父がここは禁忌の場所だと言っていました。僕は…何故、禁忌と言われているのかが、知りたいです」
女性は不敵に笑った。
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