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「で、アンタ作戦はどうなったのよ。てか、メッセージ送ったのに、なんで見てくれなかったの?」
「え、連絡してくれていたのか?」
「言ったじゃないのよっ!」
スマホのアプリを開くと、確かに菜月から何件かメールが来ていた。しまった、見てなかったな。どうせ宗からの悪戯だろうと流してたけど、アイツは通知オフにしていたんだった。
「まー、別になにもないよ。作戦は失敗だ。安穏のメンタルが強すぎた」
適当にポッテトを食べながら返答する。これにて『らんでぶーおばけやしき(きらきら)作戦』も敗北と。というか、今更だけどなんだこの作戦名。そろそろ飽きたな。
「はぁ……情けない。やる気あるわけ?」
「そりゃあるよ。やる気満々マングローブだ」
「ふざけないで。この調子だと、絶対上手くいかないわね」
そう言って彼女は乱暴にポッテトを摘んだ。食べないと言いつつも、結局食べるのか。
「【確実】だとか言ってたクセに……」
それは何の気なしに出てきた本心だった。ポッテトにケチャップを付けて、いつものような軽い言葉のツッコミをしたつもりである。嫌味とか皮肉とかではなくて、ただの指摘として。
だけど、コレがマズかった。いや、ポッテトが不味いとかそんなダブルミーニング的な意味合いではなくて……ともかく体調が悪い上に、機嫌を損ねている彼女の前で、呆れて苦笑した姿を見せたのがいけなかった。
「は? あたしのせいだって言いたいワケ?」
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