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「おうおう、偉くなったもんやな。
だからって、俺ら営業が必死に取って来た
仕事にケチつけてええと思ってんのか?」
課長の元から俺の方へやって来た榎田は、
端の席に座る多恵の向こう側で立ち止まった。
「別にケチつけるつもりなんか無い。
ただ、営業が提示した数字に無理があると
判断しただけだ」
「どこが無理やねん。具体的に言えや」
「個人経営の小さな居酒屋だぞ、
あまり在庫を抱えさせたくない」
「そんな事、ちゃんと計算してる」
ああいえばこう言う。
榎田とのバトルはなかなか終わらず、俺達に
挟まれた多恵は、縮こまってチマチマと
キーボードをたたいている。
可哀そうな事をした、場所を変えれば良かったな。
今からでも移動するか…
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