8.想いのままに

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「ちょっと場所を変えよう、おまえの声デカイ」 「あ゛?なんやて」 「いいから、行くぞ」 榎田を部屋から追い出し、休憩スペースに 押し込んだ。 始業間もない時間だ、ここに来る奴はまず いないだろう。 「何か飲むか?」 「奢り?なら、リンゴジュース」 「リンゴジュース?」 似合わないリクエストに、思わず聞き返した。 「朝飯食ってないんや、コーヒーばっかやと 胃、やられるやろ?」 営業の奴らは訪問先で、飲み物を 提供される事が多い。 内勤の多い俺とは違い、胃に 負担が掛かるという事か。
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