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「驚くに決まっとる、5年やぞ。
20代後半の、精力有り余る年齢の男が、女断ち
したくらい、失望しとったくせに。
会わへんかった、ひと月余りの間に彼女作った!?」
そう言われても、俺だってこんなに上手くいくと
思ってなかったし。
「しつこく言い寄られた?罠に嵌められてへんやろな?」
「バカな事を、ちゃんと双方合意の基に付き合ってる」
こいつは何を言い出すんだ、人聞きの悪い。
初めこそ、多恵は自分の気持ちに自信が持てない
ようだったが、今では俺に対する好意を、はっきりと
示してくれている。
その証拠にアッチの方も少しずつ、積極的になってきて、
俺を夢中にさせているんだからな。
昨夜だって、俺の求めに可愛く答えてくれて…
「両想いなん?どこでそんな娘見つけて来たんや!」
榎田の声に、夢想に走りかけた思考が呼び戻される。
やばいやばい、こいつの前でニヤケるところだった。
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