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「うっ…」
「俺に関係してるのか?怒らないから言ってみろ」
話しやすい様に、できるだけ穏やかな口調で言う。
隠し切れないと観念したのか、小声で話を始めた。
「…派手美人に絡まれて」
「は?誰だそれ」
「多分わたしの前の補佐。秀一君にビンタした」
言いにくそうに、上目づかいに俺を見る。
「あのバカ女!散々迷惑をかけた上に、俺の大事な
女に何してやがる」
握りしめた拳の関節が、白く浮き上がる。
あの女は何を勘違いしたのか、俺にベタベタと
纏わりつき、仕事に関してはミスばかり。
大事な得意先を、無くすところだったんだぞ。
あの女が多恵に手を出したとなると、見過ごす
わけにはいかない。
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