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「それじゃ、罰にならん」
「はい…髪の毛だけですよ。約束ですからね」
触られたのは頭だからと、結局頭しか
洗わせてくれなかった。
つまらん。
タオルで体は見えないし。
終わって見るからにホッとしてるし。
洗い終え、そのまま湯船に戻ろうとする
多恵から、タオルを引っ手繰ってやった。
「何するんですか!」
「泡が付いてる、濯がないと湯が汚れるだろ」
必死に隠して怒る彼女に、冷静に切り返す。
これは嘘じゃない。
このタオルにはシャンプーなんかが、たっぷり
染み込んでいるはずだ
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