10.jealousy

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「…わかりました。今日はあなたに任せます。 あいつの事お願いします」 顔を曇らせて頭を下げると、多恵に手を振って ホームの奥に走って行った。 ふん、おまえに頼まれる筋合いなんて、無いんだよ。 元々俺が守るべき女なんだから。 まあいい、やっとハイエナを追い払った。 多恵の傍に戻って、改札を出るよう背を押す。 「山下になんて言ったんです? わたし達の事、話したんですか」 眉を寄せ見上げる彼女の手を引いて、 家に向かって歩く。 「いや、おまえが彼氏の家に行くと、言っただけだ。 それでも、相当ショックだったみたいだが」 「わたしに彼氏がいるなんて、全く考えもしなかった んでしょ。以前からかわれたもの」
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