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社会人になったばかりの、彼女の事を考えて
時期を待っているだけ。
子供も、俺は今すぐできたって構わない。
むしろ、多恵が生んでくれるなら大歓迎だ。
けれど、まだ若い彼女を気遣い、迂闊な事に
ならないよう、注意を払ってきたのに。
俺は思っていたほど、彼女に好かれて無かったって事?
付き合っているにもかかわらず、見合いを考えるほど
軽い存在か?
いろんな思いが次々浮かび、一気に怒りが膨れ上がった。
掴んだ手に力が籠る。
「…子供、そんなの」
「きゃっ!」
目を瞠り、俺を見る多恵を肩に担ぎ上げ
ベッドに放り投げる。
やるせない怒りを、そのまま彼女にぶつけた。
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