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膝を割り、何の気遣いもしないまま
彼女の中に押し入った。
「やっ、あっ…あ…っ」
「見合いなんて、欲しけりゃ、俺の子…産めよ」
激しく揺さぶりながら、心の中で懇願する。
子供を望むのなら、俺の子を欲しがってくれと。
眉を寄せて、甘い声で鳴き続ける多恵の中の
締め付けがきつくなっていく。
限界が近付いたとわかり、更に強く
腰を打ち付けた。
その時、俺の下で悶えていた多恵が、急に
何かに気付いたように、閉じていた目を
ハッと見開いた。
「ちがっ、違、う…わたしじゃ、ない!」
叫ぶようにそう言うと、同時に大きく背を反らす。
何だ?何が違う?
こちらもそろそろ限界だが、何とか耐えて彼女に問う。
「…多恵。待て、締める、な。何が、違うって?」
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