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荒い息のまま身を起し、彼女を見ると
既に柔らかな寝息をたてている。
その寝顔を見て、怒りに任せて
自分がした事を後悔した。
と、同時に
多恵の胎内に、子供が宿るかもしれない
可能性に、胸が膨らんだ。
ふたつの想いを抱えて、多恵の寝顔を眺めていると、
瞼が震えて目が開かれる。
「大丈夫か、どこか辛いところ無いか?」
「秀一、君」
声を掛けると、ぼんやりとした眼差しで
こちらを見た。
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