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と言う訳で、俺はその指輪を購入する運びとなり…
こうして袋を下げているという訳だ。
衝動買いなんかほとんどした事の無い俺が、
こんな重要な物を勢いで買うなんて、自分でも
信じられない。
いや、ある意味衝動だからこそ、買えたのか?
ユラユラと揺れる紙袋が、今の俺の嬉しいような、
照れくさいような、そして、怖いような複雑な気持ちに
重なる。
これを渡した時、多恵はどんな反応をするだろう。
喜んで受け取ってくれるだろうか?
俺の彼女に対する心の証しを。
「おまえの全て、俺のものにする。未来まで全部だ…」
遠い空の下の彼女に向かって、そっと想いを呟いた。
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