15.二人の時間

2/17
11539人が本棚に入れています
本棚に追加
/552ページ
「あれは…」 4泊5日の日程を終え、帰って来たマンションの前に、 見慣れない一台の高級車が停まってる。 不審に思っていると、ドアが開いて出てきたのは… 多恵だ。 どういう事だろう、何で彼女がこんな車から? そのまま車内の誰かと話をしている。 「…多恵?」 声を掛けると、俺に気付いた彼女が顔を綻ばせた。 「秀一君、お帰りなさい」 その笑顔を見ただけで、疲れなんか吹っ飛んでいく。 早く部屋に入って彼女を抱きしめたいのに、運転手が 降りて来て、後部座席の窓が開く。 「多恵、どちら様?」 多恵に聞いたのに、答えたのは後部座席の美女だ。 「初めまして、わたしは田中小夜子。 多恵さんの旦那様?」 「いや、まだ…」
/552ページ

最初のコメントを投稿しよう!