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榊原が恐る恐る振り返って、俺を見上げる。
悪戯が見つかった子供みたいだな。
心の中で、彼女のリアクションを笑う。
「あ、何かご用でしょうか?」
立ち上がって聞いてくる。
「あのファイルが見当たらん」
これで榊原にはわかるはずだ。
いつものペースなら、翌日必要な書類は
前日の午後に作成するはずだ。
「ああ、あれなら先に課長に渡しました。
守谷さん、デスクに居なかったので」
さすがは榊原だ。
課長に渡したという事は、既に出来上がってるという事。
先に承認に回してくれたんだな。
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