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長い長いキスの後、俺の胸に寄り掛かった
多恵が、薬指を光にかざしてため息を吐いた。
「綺麗…こんなのいつの間に?」
「出張中」
「出張中!?」
「痛っ!」
仰天の面持ちで、俺を振り仰いだ彼女の頭が
胸を打ち付ける。
「あたたた、ごめんなさい。
出張中にこんな買い物したんですか!?」
自分も痛かったようなのに、頭がぶつかった
場所を、撫でてくれる。
が、指輪の事に気を取られているからか、その手つきが
なんだかヤバい動きなんだが…
まあそれは置いておいて、彼女の質問に答えよう。
「あっちの営業部の同期と、お互いの彼女の
話になったんだ。2人とも結婚を考えていて」
これは正直に言っていいものだろうか?
聞いても怒らないよな?
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