17.Promise

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「…どちらが先にプロポーズするか、競争だって そのまま宝石店に拉致された」 最終的には自分から付いて行ったが、最初の内は 間違いなく拉致だよな。 真剣な顔で聞き入っているが、いまだ 彼女の手は胸を撫で続けている。 なんか、へんな気分になってくるな… 落ち着け、落ち着け、平常心だ。 「実は指輪の事なんて、俺は頭になかったんだ。 そいつにめちゃくちゃ忠告されて。 宝石店なんて、入った事も無いしな。 一緒に行ってもらえて、結果的には助かった」 「良くサイズがわかりましたねえ。 そんなに前から考えていてくれたなんて、嬉しい…」 呑気な口調で感心している。 サイズを割り出す為に、全女性店員の手を触った事は、 多恵には内緒。ぴったりで良かった。 勿論辻井にも口止め済みだ。 それにしても、いい加減気付いてくれないと 2人で遅刻する事になる。
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