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「…どちらが先にプロポーズするか、競争だって
そのまま宝石店に拉致された」
最終的には自分から付いて行ったが、最初の内は
間違いなく拉致だよな。
真剣な顔で聞き入っているが、いまだ
彼女の手は胸を撫で続けている。
なんか、へんな気分になってくるな…
落ち着け、落ち着け、平常心だ。
「実は指輪の事なんて、俺は頭になかったんだ。
そいつにめちゃくちゃ忠告されて。
宝石店なんて、入った事も無いしな。
一緒に行ってもらえて、結果的には助かった」
「良くサイズがわかりましたねえ。
そんなに前から考えていてくれたなんて、嬉しい…」
呑気な口調で感心している。
サイズを割り出す為に、全女性店員の手を触った事は、
多恵には内緒。ぴったりで良かった。
勿論辻井にも口止め済みだ。
それにしても、いい加減気付いてくれないと
2人で遅刻する事になる。
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