17.Promise

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ジッと見つめて視線で訴えてみたが、一向に気付かない。 「その手、誘ってるのか?」 「へっ?」 言われてやっと、自分が何をしてるか気が付いた。 「いや、これは、断じて違います!」 慌てて離し、ヒラヒラ手を振って 誤解をアピールしている。 そんな事は承知の上だが、俺を気もそぞろにした 罰に、少し焦ってもららおうか。 「俺は喜んで相手するぞ。ただし、今は有頂天だから 手加減できるかわからないけど?」 ズイッと顔を寄せて言うと、ますます焦って 俺を宥めようとする。 「今はダメ!夜、そう、夜にしましょう。ね?」 焦りのあまり、墓穴を掘った事に気付いていない。 「夜にね、いいだろう。 たっぷり可愛がってやる、明日は休みだしな」 さまざまな約束を取り付け、彼女を解放して キッチンに片付けに向かう。 やっと嵌められたことに気が付いた多恵が、恨めし気に 俺を見ていた。
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