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「ああ、すまん。怪我は無いか?」
名残惜しくて、ゆっくりと腕を解く。
「はい、すみません。時間無いのに」
入力を始めた榊原を見ながら、隣でケーキを食べていて
気付いた。
彼女の頬が、ほんのり色づいていることに。
さっきの出来事で、少しでも俺を意識してくれれば
良いと、淡い期待を抱く。
厚かましい願望だけれど。
程なく出来上がった書類を、確認しつつ今夜の予定を
聞いてみた。
前回の訪問に連れて行ったら、社長は彼女を気に入った
ようで、また連れて来いと、うるさく言われてる。
直帰にして一緒に行くか。
「これでいい。今夜の予定は?」
「ありません」
「それじゃ、一緒に」
「はい」
よし!上手くいけば、夕食に誘えるかもしれない。
密かにガッツポーズして、課長を探しにオフィスを後にした。
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