3.get a chance

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「ああ、すまん。怪我は無いか?」 名残惜しくて、ゆっくりと腕を解く。 「はい、すみません。時間無いのに」 入力を始めた榊原を見ながら、隣でケーキを食べていて 気付いた。 彼女の頬が、ほんのり色づいていることに。 さっきの出来事で、少しでも俺を意識してくれれば 良いと、淡い期待を抱く。 厚かましい願望だけれど。 程なく出来上がった書類を、確認しつつ今夜の予定を 聞いてみた。 前回の訪問に連れて行ったら、社長は彼女を気に入った ようで、また連れて来いと、うるさく言われてる。 直帰にして一緒に行くか。 「これでいい。今夜の予定は?」 「ありません」 「それじゃ、一緒に」 「はい」 よし!上手くいけば、夕食に誘えるかもしれない。 密かにガッツポーズして、課長を探しにオフィスを後にした。
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