4.君が傍にいる夜

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社内での仕事を終えて、S商店に向かう為 榊原と並んでエレベーターを待つ。 あの後、昼休みの事など無かったかのように、 彼女はいつも通りの態度で、仕事をこなしていた。 ちらりと横目で様子を窺うが、やはり平然としてる。 意識したのは俺だけか…… 「おーい、榊原、帰るのか?今おまえんとこに…」 彼女を呼びながら、一人の男が走って来た。 こいつは見たことがある。 たまに彼女と一緒に、昼飯を食ってるヤツだ。 「あれ、何か用?わたし、これから外回りだけど」 近くまで来た男は、一緒にいた俺を見て、 顔を強張らせると、首を竦めて会釈らしき仕草をした。 「え、まあ、昼に会えなかったからな」 小さく呟き、 「ま、いいや、またな。お疲れ様です」 と言って、走り去った。 何だあいつ。彼女に聞けば、同期だと言う。
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