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「ありがとう、守ってくれて」
「当たり前のことだろう」
腰のあたりに抱き付いて、上目づかいに俺を見る。
クシャっと頭を撫でて、照れくささを誤魔化した。
「それでも言いたいの、青山さんの事も、ありがとう」
「逆の立場だったらと思うとな」
本当にそうだ。
多恵が他の奴のもので、俺が片思いの立場だったら?
嫉妬に狂って、青山のように何かしたかも知れない。
確実な事はわからないが。
人は愛し過ぎると、時に相手を傷付け、同時に自分も傷付く。
今回の事は、自分への警鐘でもあるのだと思う。
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