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「多恵、『Leaf』の」
「パソコンの右横です」
「赤い付箋は?」
「修正して課長に回しました」
「ん」
立て続けのトラブル処理に追われ、仕事の方は必要最低限
のラインしかやっていなかった。
以前の俺なら、あり得ない事だ。
社会人として、褒められた話ではないが、時には
こんな事があっても良いんじゃないかと思う。
多恵と出会ってから、俺は本当に変わった。
バレーボールを諦めてから、本気で執着するものは
無かった。
一時はそれが、清水みちるだと思ったが、全くの勘違い。
それどころか、手酷く傷付けられる羽目になった。
その後の、心を閉ざした数年間はきっと、多恵に出会う為に
あったのだと思いたい。
あの時傷付いたから、今、彼女の大切さがわかるのだから。
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