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カタカタカタ
静かな生徒会室に響くのは副会長が打つキーボードの音
「おい、春」
「なんですか?会長」
キーボードを叩く手を止めて窓際の会長席に目をやる
「会計と書記はどうした?」
「今日の仕事は終わったそうなので帰ります...とのことです」
1学年下なのになかなかの優秀さで助かる
「そういえば...」
「なんだ?」
会計から伝言を頼まれていたのを思い出した
「会計からなのですが...『早く伝えないと誰かに盗られてしまいますよ?』だそうです。」
「あいつ....」
ハァと溜め息を吐き手で顔を覆う会長に首を傾げる春
「兎に角伝えましたよ?」
「嗚呼...」
伝言も伝え終わった春は再び作業に戻ろうと視線を画面に戻す
ガタリ
なにかが動く音が聞こえたが、ここにいるのは自分と会長のみだとわかっているので会長が動いたのだろうと気にせず指を動かす春
フッと眼前に影ができなんだ?と顔を上げれば
「....会長?」
何処か真剣な顔をした会長が目の前にいた
「折角後輩がくれた機会だからな...生かしてやろうと思って」
「はあ...」
「ちょっとこっちに来い」
突然に腕を掴まれ連れていかれたのは、自分達が休憩の時によく使うソファーだ
「あの...近くないですか?」
「んなことねーよ」
いや、ソファーに押し倒され鼻がくっつきそうなくらいに近いのに
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