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「あっ!!大地ぃ~もっとぉ...そこっ...」
「ここか?ハッ...お望み通り突いてやるよ!!」
軋むベッドの音と喘ぎ声、そして互いの荒い息遣いが、ドアを隔てた自分にもよく聞こえてくる
もう何度目かもわからないほど聞きなれてしまった情事に、最近は悲しいと思うことすらなくなってしまった
初めて大地と出会ったのは高校の入学式
同じクラスで隣の席、仲良くなるのにそう時間はかからなかった
大地は格好いいから色んな子に迫られたり仲良くなったりしていたけど、僕をいつも優先してくれた
それは親友だからだと、そう思っていた
「俺は桜が好きだよ。友達じゃなくて恋人になりたいんだ」
そんな風に思われていたなんて知らなくて戸惑った
「桜は俺のこと親友にしか思ってない?少しでも違う気持ちは入ってない?」
そう言われて、確かに少しだけ、大地に抱いていた恋心があったと気付いた
「もし親友としてだけじゃない好意が俺に対してあるなら付き合ってくれないか」
「....いいの?僕は男だよ?大地は格好いいんだからわざわざ男の僕なんかじゃなくて女の子と付き合った方が幸せになれるんじゃない?」
僕の中に一番強くあったのはこれだった
「そんなの必要ないよ。桜が居てくれるなら俺はそれだけで構わない」
「.....よろしくお願いします」
それから僕達は親友から恋人という関係になった
最初は良かった。大地は僕を大切にしてくれた。いつも一緒にいて笑って...
いつからだろう
大地が他の誰かを抱き始めたのは...
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