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初めてはそう...僕が委員会で帰りが遅くなった時だ
教室から人の声が聞こえたような気がして誰かいるのかと隙間から覗いたんだ
「あぁん!大地!もっと激しくしてぇ~」
そこにいたのは裸で絡み合う大地とクラスメイトだった
ガタガタと動く机の上でうつ伏せるクラスメイトに背後から腰を動かす大地
肌と肌がぶつかる音が、やけに生々しかった
「っく!出すぞ!!」
「中に出してぇぇぇ!!」
達したのだろう、絞り出すように腰を数度動かす大地とそれに恍惚の表情で受けるクラスメイト
「またいつでも言ってね?大地ならいつでもいいよ?」
「んー、また今度な」
信じられなかった
あんなに好きだと言ってくれた大地が、他の誰かとなんて...
走って走って...気がつけば自分の部屋のベッドに倒れ込んでいた
「ふっ...うぅっ..なんでぇ?」
溢れてくるのは涙と疑問
自分とはしないのにクラスメイトとはする
それは自分に抱きたいと思わせる魅力がないからなのか、最初から抱くつもりがないのか...
じゃあなんで付き合ってるんだろう
~♪
メールを知らせる音楽が鳴る
相手は大地...彼専用の音が鳴っているからわかる
だけど見る気持ちになれない
なにが書いてあっても、僕には疑いの気持ちしか湧かないから
そして次の日
「桜?昨日メールしたけど見た?」
いつもの変わらない笑顔を僕に向ける大地
「ごめんね...メール気づかなくて。寝ちゃってたみたいで」
その笑顔を直視出来なくて思わず顔を逸らした
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