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そして3日後
室井先生から連絡があり再び病院を訪れた
「こんにちは桜君。よく来てくれたね」
「こんにちは。検査結果が出たんですよね?」
「うん...単刀直入に言うね?桜君、君は血液の病気だ」
室井先生の言っている意味がよくわならない
「肉体的には特に問題はないよ。今のところはね」
体は元気なのに血液は病気?
「君はもともとその病気を遺伝していて今までは潜伏していた状態だったんだ」
誰かその病気で亡くなった親族はいないかと聞かれ、ふと思い出したのは母親の妹だった人...僕の叔母だ
「叔母が...たぶんそれで亡くなったと思います」
母親と叔母の旦那さんが泣いていたのを思い出した
「そうか...なにが原因でかはわからないけど、桜君は発症してしまったかもしれない。できれば入院して治療してほしいんだ」
「入院すれば治るんですか?」
そう尋ねると苦い顔をされた
「わからない...医者がこんな不確かなことを言ってはいけないんだけど、この病気は完治するとは言えない」
だろうなとは思ってた
完治するなら叔母は亡くなったりはしなかったのだから
「だけどこのまま放置していればいつ日常生活に支障が出るかわからないんだ。入院してくれれば治療と生活のサポートができる」
「...まずは両親に話してから...ですよね?」
僕の言葉にハッとなる
「そうだったね。柄にもなく切羽詰まってたかな」
ハハッと笑うその顔は、少し幼く見えた
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