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「だけどさ、人は見かけによらないな。あの清純そうな星蘭ちゃんがそんなこと」
祐介がよからぬ想像に浸るように瞑目する。
「よせよ、考えるな」
「それにしてもずいぶん念入りに取り付けたな?」
細かくコマ割りされた画面。
覗き込むようにして雅彦が言った。
「ああ、僕の性分さ」
「完璧主義か。でも安心したぜ」
「何が。僕がしてること――犯罪だよ?」
「いや、正直俺たち心配してたんだ」
おどけて見せる僕に、真顔で雅彦が向き直る。
「そ。彼につけこまれるんじゃないかと――。夢中だったろ、昔?」
軽い調子で祐介が茶化す。
「ああ、そうだな――」
過去形か――。
そう彼らの中ではすでに。
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