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「どうして伏せたんだ」
それを聞いたとき、心臓がドクンと鳴った。さっきの2枚だけではない。
無数の写真の中で、何枚かの写真が伏せられている。
全く意識はしてなかった。全く意識はしてなかったのだ。写真はすべて表向いていたはずなのに。僕が伏せたんだろうか。
寒気がして全身が震えた。
「怪物を倒そうとするものは、自らが怪物になることを畏れなくてはならない」
やっぱりニーチェじゃないですか。俺はそう言う気力もなく、怪物を倒すどころか写真をめくる勇気もなかった。
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