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「…いや。俺といて本当に幸せだったのか。聞きたくても、もう聞けないからな」
先生は私の顔色を窺うように首を傾げそう言うと、口端を引き上げて綺麗に笑う。
私はその向けられた笑顔に意表を突かれ、返事ができぬまま大きく開いた瞼で瞬きを繰り返す。
「で?香川さんが俺に気があるんじゃないかって?それで麻弥は焦ってたんだ」
先生は私の顔を覗き込み、今度はニヤリと悪戯気な笑みを浮かべ始めた。
「へっ?!」
「香川さんに先生を取られちゃったらどうしよう~って?」
迫るようにして、先生が私の瞳に映り込む。
「そっ、そんなこと思ってません!」
ドギマギしながらも、ムキになって声を投げつける私。
「素直じゃない口にはお仕置きを。素直な身体にはご褒美を」
「えっ?…なに言って……ヒャッ!」
覆い被さる様にして、ソファーに押し倒された私の身体。
「じゃあ、そろそろ始めよっか。診察」
先生は、仰向けになる私の身体の自由を奪うために両手首を掴み、見下ろしながらニッコリと満面の笑みを落とした。
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