贈られたのは力

贈られた力

体つきも桧谷さんより華奢で、どこか守ってあげたい感じがする
「でも……どうして………」
「湯葉さん、自分で手を握ってたのも分からないんスか」
「いや…………多分、あの時必死で握ってからそのまま忘れてたんだと思う……」
「………」
桧谷さんがポカーンとしている
「ま、あのままほっとけなかったし」
「…………そっスか」
そのまま、桧谷さんはドカッと腰を下ろした
「ちょ！桧谷さん！！何やってるの！？」
「何って、座っただけッスけど？自分の家の自分の部屋ッスよ？なんでいけないんスか？」
「だからスカート！！」
「ん？」
そう言われて自分が着ている制服のスカートを見る桧谷さん
「何ともないッスよ」
「じゃなくて！！………その………パン………」
「何スか？言うならはっきり言うッス」
「だから！！…………パンツが……」
「ん？」
そう…………会った時から思ってたけど桧谷さん。すっごいスカートが短いのだ。太ももがほとんど見えてるような形だから少しでもずれたらパンツが見えちゃうくらいに
「ああ…………大丈夫ッスよ。ウチ、スパッツ穿いてないッスから」
「余計駄目でしょ！！」
「なら、試してみるッスか？」
「え？」
何を言ってるんだ…………この人は……
「スパッツも穿いてないッス。んで、パンツが見える事はないッス…………で、どうッスか？湯葉さん、ウチのスカートの中、捲ってみないッスか？」
「えええええええええええええええ！！！！！！！？？？？？？」
い！？いきなり何を言い出すんだ！？本当にこの人は！？
え！？スパッツ穿いてない………で、パンツが見える事はない……
それってつまり………
「どうするッスか？ゆ・ば・さん」
何やら、話しかけやすいタイプに見えた桧谷さんが色気たっぷりに話しかけてきた
でも……………いいのか？こんな初対面に近い男女が１つの部屋で……そんな事を
ゴクリ…
「い！…………いや僕は別に………」
「とかいいながら体は正直ッスね～」
「～～～～～～！！」
桧谷さんの視線を追うと僕の穿いている制服のズボンの一部が大変なことになっている
「いや…………これは………」
「隠さなくてもいいッスよ～。湯葉さんも男なんスから～。女の子の事、気になっちゃうんスよね？」
「だ！だから！！」
「ほ～ら、手を貸して」
「あ……」
僕は振りほどこうと思えば振りほどけるはずの桧谷さんに掴まれた腕を振りほどけないでいた